[INTERVIEW]新しい学校のリーダーズ 青春日本代表! セーラー服4人組が情熱の限りを注いだ新作『SNACKTIME』
セーラー服をなびかせ、時に激しく、時に可憐に歌い踊る4人組。新しい学校のリーダーズに出会ってしまったら最後、その魅力の沼にハマるしかない。2015年の結成以降、彼女たちが生み出してきたクリエイティブの数々は、既成概念から “はみ出す” 意欲作ばかり (今すぐYouTubeでご確認を) ! 徐々に世界中が彼女たちに熱視線を注ぎ始めた今年、アジアのカルチャーシーンをワールドワイドに発信する音楽レーベル88risingから世界デビュー。去る11月12日にレジェンド・プロデューサー、マニー・マークが手がけた衝撃の新作『SNACKTIME』を世界に放ち、彼女たちの快進撃はスタートした。五感を刺激するサウンドと、4人の個性が融合した予測不能の全5曲が収録されたEP『SNACKTIME』。今作の制作にあたりLos Angelesへと旅立った彼女たちは、マニー・マークとの鍛錬の日々を重ね、更なる可能性を開花させた。研ぎ澄まされた感性が生み出す音楽とダンスの芸術作品は一体、世界にどんな革命を巻き起こすのか。ますます新しい学校のリーダーズから目が離せない。
新しい学校のリーダーズ a.k.a ATARASHII GAKKO!MIZYU(top left)、SUZUKA(top right)、RIN(bottom left)、KANON(bottom right)
ーまずは、みなさんのバックグラウンドから伺っていこうと思います!
SUZUKA:私のルーツはビヨンセですね。そこからマイケル・ジャクソンやクリスティーナ・アギレラだったり、母の影響でその時代の洋楽は幼い頃から聴いていました。海外アーティストの壮大なスケール感に憧れます。
KANON:私は倖田來未さんや安室奈美恵さんに憧れてダンスを始めました。気持ちを込めてしなやかに踊ることが好きですが、髪の毛を振り回したり、激しく踊るジャズヒップホップも得意で、その2つをメインで踊っています。
SUZUKA:KANONはアクロバットも得意だよね。
MIZYU:私はきゃりーぱみゅぱみゅさんとの出会いが、今の自分が出来上がる一番大きなきっかけになっていると思います。小学校卒業くらいのときかな。
SUZUKA:MIZYUに最初に出会ったときは厚底履いて、チョーカー付けて、大きなメガネをして、「ザ・原宿!」って感じだった。
MIZYU:あの頃はとにかく原宿が大好きで。「なんて可愛いんだ!」って思ってた。それを究極に表現しているのがきゃりーぱみゅぱみゅさんだったので、私にとって眩しい存在だし、すごくインスパイアを受けた人。そこからダンスもただ踊るのではなく、音楽的に表現するようになりました。
RIN:私は両親、特に父がヒップホップ好きで、お腹の中にいた頃からヒップホップが流れているのが当たり前のような環境で育ちました。自然と音に合わせて踊るようになって、ダンスを習い始め、小学校2~3年生の頃に出会ったダンスの先生がすごく音にもこだわる方で、自分で音の編集とかもやっていてたんです。その先生がきっかけで私も音楽に興味が出てきて、普通の小学生では知らないような、渋い音楽もよく聴いていました。
SUZUKA:ダンスのレッスン終わりに、「今日の曲は何ですか?」って先生に聞いて、それにハマっての繰り返しだったよね。よくわからずに、ニルヴァーナとかダイ・アントワードとか聴いている子供でした。
RIN:そうそう、今はいろんな音楽を聴いて、学んだ上で改めて「いい!」と思うけど、当時は直感的にかっこいいと思って聴いてたよね。
KANON
ーめちゃめちゃ渋い選曲ですね(笑)。グループ内でのそれぞれの役割みたいなものはありますか?
SUZUKA:ステージ上に出たら私は喋って、盛り上げて。先陣切って、ライブの流れを作ってみんなを誘導する係。
KANON:SUZUKAがメインボーカルですね。私は髪の毛の存在感が強い人(笑)。
MIZYU:KANONは縁の下の力持ち。高さを出すために、みんなで組みになるときも、KANONは自分から土台に入って支えてくれます。肩の筋肉が発達していますね。
SUZUKA:あとKANONはよく笑う。MCでKANONが笑ってくれると嬉しいです。MIZYUは、私が野獣っぽい感じでうわぁ〜って歌うことが多いから、儚くて繊細な部分のボーカルを担ってくれています。
MIZYU:しっとり歌うことが多いです。あ、あと一応リーダーです。一応(笑)
RIN:私はパッドを叩いたり、DJをしたり、ラップのパートを担当したり…..。
SUZUKA:私たち背中やお尻を叩いて“人間太鼓”をやっていて、それの音源とかはRINが叩いて作ってきてくれたり、音の面で頼りになる存在です。
RIN:ダンスではみんながジャズを基盤にしているのに対して、私はヒップホップをずっとやってきたので、結構重ためなダンスやアニメーションっぽいニュアンスのダンスが、私の個性なのかなと思います。
ーRINさんは編み物がプロ並な印象もありました!みなさんもステージ上とは異なる一面や、特技などはありますか?
SUZUKA:私はアート。絵を描くことや洋服にペイントしたり、自転車に描いたり、思い出をいっぱい繋げたような、なんとも言えない作品を残すのが好きです。日常 × アートに興味があって、今はその魅力に取り憑かれています。
KANON:私はお菓子作りが好き。甘いものが大好きで、深夜とかに突然食べたくなって、クッキーやガトーショコラを作ったりしています。
SUZUKA:KANONが誕生日に作ってきてくれたバナナマフィンが、めっちゃおいしかったんですよ。
KANON:逆に私の誕生日には、3人からお菓子作りセットを貰いました。
MIZYU:私は特技とかそういうのが本当になくて。強いて言えば、ゆで卵をいい感じに茹でるとか。
KANON:ほんとに上手。
MIZYU:好きなことはいっぱいあるんですけど、気分屋すぎで自分が掴めないんですよね。でも、半熟ゆで卵は任せてください。
RIN:私も編み物だったり、他にも好きな物がたくさんあるなかで、KANONのお菓子作りに対して、私は料理をするのが好き。食べること自体が好きなのと、あとは、「美味しい」って言ってもらえるのが嬉しくて。最初のLA滞在から帰国した隔離期間にも、スープカレーをスパイスから調合して作ったりしていました。
SUZUKA:LAで共同生活していたときもRINが美味しい料理をいっぱい作ってくれて。でも、すごいゆっくり作るんですよ。マイペース。私はめっちゃ早いから(笑)。
KANON:LAにいるときは、SUZUKAとKANONが先にいただきますして、RINとMIZYUがのんびり何かを作ったりしていることが多かったです。
MIZYU:私とRINがまだ準備しているのに、2人はもう洗い物していたもんね(笑)。
RIN
ーLAではどれくらいの期間、共同生活をしていたんですか?
KANON:2ヶ月半、私たちとマネージャーさんの5人で生活していました。
SUZUKA:LAはとにかく楽しかったですね。向こうで一緒に過ごした人たちを通じて、普通の旅行では味わえないような、生のLAのカルチャーを教えてもらいました。LAを生きた!って感覚です。その経験ができて、凄くよかった。
KANON:LAは全部の景色がはっきりしている印象。全部が陽って感じかな。それが人にもカルチャーにも表れていて。日本って改めて穏やかな国だな〜と思いました。
ー共同生活の中で、特に印象的だったエピソードを教えてください。
RIN:私たちが滞在していた家がボロボロというか、変なことがいっぱい起こったよね。
SUZUKA:家に訪ねてきた人が口々に「ここ空気悪いよね?」って言っていて。夜中に一度、私とKANONの部屋の間を、誰かが通る足音が聴こえたんです。じゃりじゃりじゃりって6歩。あれは絶対にスニーカーで歩くおじいさんの足音だった。私、部屋の扉を開けたままだったから慌てて閉めて、恐怖で固まっていたら、KANONが「今、足音聞こえた!」って部屋から出てきて。
KANON:私は自分の部屋で勉強していたら、SUZUKAと同じように足音が聴こえたんです。感覚的には自分の真横で止まった感じ。一気に鳥肌が立って、RINがいるリビングに走って行きました。そしたらSUZUKAも出てきて。フライパンとかおたまとか持って、マネージャーさんも一緒に3人でもう一回観に行ったけど、誰もいなかった…..。
SUZUKA:その後はお風呂とかも怖くて。とにかくその家が印象的でした。また次もそこに泊まるんですけどね……。
KANON:なんだかんだ愛着が沸いています。
ーこわい(笑)。今作のキーマン、マニー・マークとの出会いについても教えてください。
SUZUKA:私たちと88risingを繋げてくれたエージェントの方が、マニー・マークとも知り合いで。「リーダーズとマニー・マークを組み合わせたら、面白いんじゃないか」って思ってくれたみたいで、マークの家に遊びに行くことになったんです。アートに溢れた不思議な家でした。私たちは初めて会った瞬間から「うわ、このおじさんめっちゃ面白い!」って思ったんですけど、彼は私たちに全く興味を持っていなくて。どうにかして、マークと一緒に作品を作りたくて、私たちのクリエイティブの面白さを彼に伝えるために、映像作品を作って送りました。そしたら、「スタジオでセッションしよう!」って連絡をくれて、セッションを重ねるうちに徐々にお互いが打ち解けてきて、最後には、マークも私たちのことを大好きになってくれたのが伝わってきました。
MIZYU:私たちの家でほとんどの時間を一緒に過ごしました。小さな部屋にこもっての制作だったので、度々休憩でリビングへ出てはお菓子を食べてリフレッシュして、またお互いにアイディアを出し合って、今回のアルバムが完成しました。まさに、“スナックタイム”があったからこそできた作品です。
KANON:言葉の壁とか関係ないくらい、すっごく近い存在になれたよね。
SUZUKA
ー楽曲制作はどのように進んでいったんですか?
SUZUKA:今作では、私たちがまだ表現したことのないジャンルに挑戦してみたいと思っていました。海外を意識したスケール感だったり、ライブやフェスで歌う楽曲だったり。例えば、私たちがキーワードとして「ドープな感じ」とマークに伝えると、彼がどんどん“ドープ ” について掘り下げていってくれて。とにかく知識が半端ないんです。音楽はもちろんですが、人生の知識がすごい。
KANON:パッとテーマをあげると、違う角度からそれに関するいろんな話をしてくれて、だから曲の世界観もどんどん広がっていきました。私たち毎日、マークから宿題を出されていたんです。次の日またマークに会うまでに、それぞれ歌詞やメロディーを考えたり、4人で一致団結してアイディアを出して、マークに提出して。そんな毎日を繰り返してアルバムができました。
MIZYU:今作では楽曲制作と同時進行でダンスも考えて、途中経過をその都度マークに見てもらって、共有していました。
SUZUKA:振りというよりも、曲に対する私たちの表現の仕方や、込める想いみたいなのをダンスを通してマークに伝えて、それに合う曲をマークが提案してくれたり。毎回、私たちのダンスを見て「アメージング」、「ビューティフル」って感動してくれていたよね。ダンスに関しては、今まで一緒にやってきた私たち4人だけの感覚があって、それをマークがリスペクトしてくれたから、そこでようやく彼と対等に話せたのかな。
MIZYU:マークはリーダーズの「恋ゲバ」という曲での ”殴る振付”を特に気に入ってくれていたので、新しい曲ではファイトシーンをフィーチャーするような曲を作りたいというのがあったんだと思います。「Pineapple Kryptonite」とかまさに。
ー確かに、みなさんよく戦っている印象です。振り付けなどの感覚的な部分って、4人でどういう風にすり合わせているんですか?
MIZYU:いつもはまず、その曲への印象やどう見せたいかなどを4人で話し合いながら表にしています。それでみんなの感覚や方向性を共通認識として擦り合わせたうえで、振り付けを考えて。
KANON:音に合わせて振り付けを作るというよりかは、アイディア重視。斬新な発想とかはSUZUKAが得意だから、SUZUKAの一言からみんなで膨らませていったり。
SUZUKA:言葉になっていない抽象的な表現でも「あ〜確かに〜」で3人が理解してくれて、「じゃあその方向性で振り付け考えてくれへん?」、「私作ってくる〜」みたいな流れだよね。
MIZYU:みんな基本的に感覚が一緒で、それは私たち以外にはわからないものだと思う。
RIN:見ている角度はみんな違うかもしれないけど、その先にあるゴールが一緒なんだよね。それぞれのバックグラウンドがあるから、いろんな新しい発想が生まれて、そのひとつひとつがリーダーズの個性になっているんだと思います。
MIZYU
ーそこには、4人で一緒にやってきた7年の年月が大きく作用しているのかもしれないですね。本作に収録されている5曲の中で、みなさんそれぞれが特に思い入れ深い楽曲を教えてください。
SUZUKA:一曲に絞るのはめちゃめちゃ難しいけど、強いていうなら私は「CANDY」かな。何万人規模のフェスで爆音で流れていることを想像して作ったので、完成した曲を聴いたときは、イメージしていた景色が見えて、ワクワクが止まらなかった。私の好きなテクノの要素が入っていることもあって、今の自分のブームとマッチしているのかな。
KANON:私は好きな曲が2曲あって、まずは「Pineapple Kryptonite」。この曲はアルバムの中で一番最初にできた曲っていうのもあって、振り付けと合わせて初めてスタジオで通した時に涙が出てきて。ダンスもすごく模索した楽曲だったし、みんなでたくさん考えた曲だから、EPの中でも特別な一曲。あとは「Happy Hormones」が好きです。誰が聴いても幸せな気持ちになれるんだけど、よくよく歌詞を見たらとんでもないこと言ってるぞっていう面白さとのギャップ。歌詞の全部にホルモンが入っているんです。そこが気に入っています。
SUZUKA:「Pineapple Kryptonite」のMV撮影のラスト、私が1人で歌うシーンで、この曲が完成したときのことを思い出して気持ちがいっぱいになって……あのとき、みんな泣いてなかったっけ?
MIZYU:あのときは4人とも同じ気持ちだったと思う。
RIN:初めての感覚だった。
SUZUKA:ずっとこの曲のことを考えていたから、完成したときは、やっと追い求めていたものができた達成感と、これはすごい作品を生んでしまったという興奮が押し寄せて来て、壮大な映画を一本見終わったときの感覚だった。これまでの思い出とか、この先の可能性とか、リーダーズの全てを感じて涙が止まらなかった。
RIN:最後の「ちゃん」って終わるところで、毎回毎回、胸が「ぐ〜」ってなる。
SUZUKA:壮大で終わりたい。みんなの心に寄り添う形で終わりたいっていうのがあったもんね。LAで撮影したこの曲のMVも、マーク含め、周りの人たちとみんなでいろんなアイディアを出して、ストーリーボードを作って、MVの方向性を模索して。どんなエイリアンが出て来て、どんな街を襲うのか。とりあえずみんなで模型を作ってみたりして。マークが私たちに、ひとつMVを作るのにも、いろんな過程を重ねることで、もっと理解が深まって、濃い内容のものが生まれるから面白いよっていうことを教えてくれました。
ーまさに今のリーダーズの集大成のような一曲なんですね。
MIZYU:大切な一曲ですね。私はそしたら「Fantastico」について話そうかな。これは謎のカタカナをずっと歌っているんですけど、ひとつも意味はなくて(笑)。最初にマークに会ったときに、「すごい情熱的に歌っているけど、この歌詞は何の意味もないんだよ」っていう歌を教えてもらって、そこからインスパイアされてできた曲です。哀愁漂うイタリアのディスコをイメージしていて、4人が掛け合うように歌っています。ある程度完成した状態で日本に帰国したんですけど、その後にマークがマスタリングでたくさんの音を入れてくれたみたいで、想像を遥かに超えて良くなっていたので驚きました。スキップしかけるくらいのテンションで歩かないといられないくらい、無条件にいい曲。
RIN:私はまだ出ていない、「Free Your Mind」にします。初めてみんなで滞在したLAでのいろんな経験があってこそ、生まれた曲ですね。LAは雨も降らないし、毎日が灼熱って感じだったので、その太陽を浴びてすごくハッピーな曲ができました。“心を開放する”みたいなことがテーマになっていて、歌詞もすごくポジティブ。MVもこの間撮影して、すごくいい感じに仕上がったと思います。
MIZYU:LAは日照時間がとにかく長くて、20:00くらいまで太陽が出ていて。
SUZUKA:元気でいられる時間がとにかく長かったよね。
MIZYU:全部がすごくいい曲なので、何回も通して聴いてほしいです。
ー最後に、みなさんの今後の目標を教えてください。
SUZUKA:『SNACKTIME』が世界中のみんなから愛される未来を作るのが、私たちの今の目標。まずは、この作品を世の中に知らしめるために、たくさん試行錯誤して、いっぱい映像作品も出して行くので、楽しみにしていて欲しいです。
MIZYU:愛さずにはいられない作品だと思う。『SNACKTIME』がどんなに美しくて深い作品なのかを、伝えていきたい。愛してほしいです。
RIN:まずは一度私たちの映像を観てもらって、どんどん沼にハマっていく人が増えてほしいです。来年の1月30日に恵比寿LIQUIDROOMでワンマンをやるので、LAから帰ってきて、パワーアップした私たちを観て欲しいなと思います。
KANON:『SNACKTIME』がライブで披露できるのはワクワクだね。楽しみ。
INFORMATION
デジタルニューEP『SNACKTIME』2021.11.12 Digital ReleaseM1:Pineapple KryptoniteM2:Free Your MindM3:CANDYM4:FantasticoM5:Happy Hormones作詞:Money Mark / ATARASHII GAKKO!作曲:Money Mark / ATARASHII GAKKO!
Official Link:https://linktr.ee/atarashiigakko
新しい学校のリーダーズワンマンライブ2022.1.30@恵比寿LIQUIDROOMチケット:https://eplus.jp/leaders/