コクヨ「STAND BACK PACK」に感じた、バッグが“自立する”メリット
下部が開いて自立するというギミックには目を引くところがあるが「実際にはどのように役に立つのだろう」と思ったのが本音ではある。私自身が普段PC用バックパックを10年以上背負っているので、つまり、自立しないことに慣れているのであまり不満に思っていないからだろう。
コクヨいわく「自立することでワークツールが取り出しやすく片付けやすい」とのことだが、そのメリットは使う人により感じ方が異なると思われる。むしろ、世の中がテレワークになったがために普段バックパックなど背負わないビジネスマンが使用する場合は自立する機能が当たり前となり、普通のバックパックでは不便・もの足りないと感じるようになるのかもしれない。
私の使い方としては、ツールの取り出しやすさよりも「床に立つ」ことそのものが便利だと感じた。カフェやシェアオフィスでバックパックをどこに置くかというと、ベストなのは隣の椅子だ。だが、2席占有するのははばかれるシーンの方が多い。その場合は椅子の背もたれに背負わせるのだが、室内スペースに余裕がないと通路にせり出してほかの人の移動を妨げることになる。結果、床に置くのだが、たいていは自分の座る椅子にもたれかかってグニャリ感が出てしまう。気づくと完全に床に寝ていることも多い。それがSTAND BACK PACKであれば自分の横にスッと立っていてみっともなさが解消されるのだ。
かたわらに佇むSTAND BACK PACKこの床に立つという利点、シーンは異なるがクライアントとの会議や打ち合わせ、企業取材の際にも活かせると思う。会議のたぐいはPCと資料数枚しか持っていかないことの方が多いので収納力は問題なし。そして会議室の椅子は座り心地のよい背が丸いタイプが多く、バックパックをかけにくい。さらにそのようなシーンではバックパックそのものがカジュアルすぎて、椅子にかけたりしてその存在感を主張したくない、という思いもある。そもそも椅子にバッグをかけるなんてビジネスマナーにそぐわないかもしれない(気にしたことないけれど)。
ということでバックパックを床に置くのだが「STAND BACK PACK」ならしっかり自立してくれる。会議終わりの帰り際にグニャリ寝転びバックパックをかがんで拾い上げることもなくスマートだ。
つまり、自立機能はバックパックの佇まいそのものを変えていると感じられる。使いやすさももちろんだと思うが、バックパックのあり方を根本から変えたのがSTAND BACK PACKなのだ、といったら言い過ぎだろうか。言い過ぎだ。しかし、今までなかった製品であることは確かだと思う。