【米ビルボード・ソング・チャート】アデル「イージー・オン・ミー」通算8週目の首位、『ミラベルと魔法だらけの家』サントラから「秘密のブルーノ」がTOP5入り
【米ビルボード・ソング・チャート】アデル「イージー・オン・ミー」通算8週目の首位、『ミラベルと魔法だらけの家』サントラから「秘密のブルーノ」がTOP5入り
アデルの「イージー・オン・ミー」が3週ぶりに返り咲き、通算8週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。 集計期間がクリスマスのピークだった2021年12月25日から2022年1月8日付チャートまで、3週連続で1位をキープしたマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」をはじめ、先週までTOP10にランクインしていた6曲、100位内にランクインしていた全29曲のホリデー・ソングは一掃され、例年通り今週から通常のチャートが戻った。 先週5位から2位に再浮上した「イージー・オン・ミー」は、セールスが前週から12%減少の8,000に下降したものの、ストリーミングが3%増加の1,580万回、エアプレイは6%増加の9,900万回に上昇し、今週のAirplay Gainerを獲得した。ストリーミング・ソング・チャートでは、Hot 100同様にホリデー・ソングが一斉に圏外へランクダウンしたため、今週22位から5位にジャンプアップし、エアプレイ・チャートでは7週目の首位を勝ち取った。 自身の楽曲では、7週で並んでいた「ローリング・イン・ザ・ディープ」を上回る2番目に長い記録を更新。首位獲得総週は通算32週目に塗り替えた。10週「ハロー」 (2015年)8週「イージー・オン・ミー」(2021年)7週「ローリング・イン・ザ・ディープ」(2011年)5週「サムワン・ライク・ユー」 (2011年)2週「セット・ファイヤー・トゥ・ザ・レイン」 (2012年) 続いて2位も、先週の6位からザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバーの「ステイ」が上昇。3位に初登場した2021年7月24日付チャートからTOP10に約6か月ランクインし続け、今週で滞在週を26週に更新した。通算記録としては歴代6番目、初登場からの記録としては、ポスト・マローンの「サークルズ」が記録した38週に次ぐ2番目のロングランとなる。 先週7位に返り咲いたグラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」は今週3位まで上昇し、登場51週目にして初のTOP5入りを果たした。この記録は、一昨年ギャビー・バレットの「アイ・ホープfeat.チャーリー・プース」が打ち出した45週を上回る歴代最長で、TOP5ランクインまでに30週を超えたタイトルのうち、ローンスターの「アメイズド」以外はすべて2010年以降に達成している。()内は達成年51週 グラス・アニマルズ「ヒート・ウェイヴス」(2022年)45週 ギャビー・バレット「アイ・ホープfeat.チャーリー・プース」(2020年)42週 イマジン・ドラゴンズ「レディオアクティヴ」(2013年)35週 クリス・ブラウン&ヤング・サグ「ゴー・クレイジー」(2021年)34週 フロリダ・ジョージア・ライン「クルーズfeat.ネリー」(2013年)30週 ボビー・ヘルムズ「ジングル・ベル・ロック」(2020年)30週 ブレンダ・リー「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」(2019年)30週 マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」(2019年)30週 ローンスター「アメイズド」(2000年) 「ヒート・ウェイヴス」は、グラス・アニマルズにとってHot 100に初めてランクインしたタイトルで、TikTokのバイラル・ヒットにより昨年夏にチャートを上昇し、100位に初登場した2021年1月16日付チャートから42週を経て同年11月13日付チャートでTOP10入りした。初登場からTOP10にランクインした期間としても、キャリー・アンダーウッドの「ビフォア・ヒー・チーツ」(2005年)を上回る歴代最長記録を更新している。 今週は、エアプレイが前週比3%増加の6,650万回、ストリーミングは12%増加の1,410万回に上昇。ロック&オルタナティブ・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートでは、それぞれ16週目の首位を獲得した。その他、ポップ・エアプレイ・チャートで3位、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートでは6位にランクインしている。オルタナティヴ・エアプレイ・チャートでは、昨年の3~4月にかけて3週のNo.1をマークした。 先週の9位から4位に最高位を更新したエド・シーランの「シヴァーズ」を挟み、今週5位にはディズニー最新作『ミラベルと魔法だらけの家』のサウンドトラックから先週50位に初登場した「秘密のブルーノ」がランクイン。昨年のクリスマスにディズニープラスで独占配信が開始され、週間ストリーミングは102%増加の2,520万回に急増。今週のStreaming Gainerを獲得して、ストリーミング・チャートでは35位から1位に上り詰めた。セールス・チャートでも、42%増加の7,300を記録して10位から6位に最高位を更新している。 同曲のヒットもあり、『ミラベルと魔法だらけの家』のサウンドトラックは今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で1位を獲得(72,000ユニット)。アニメーション映画のサウンドトラックとしては6作目、ディズニー作品としては、2019年12月にトップに立った『アナと雪の女王2』以来2年1か月ぶり、5作目のNo.1に輝いた。 ディズニー・アニメーション映画のサウンドトラックからHot 100にTOP10入りしたのは、2014年に最高5位をマークしたイディナ・メンゼルの「レット・イット・ゴー」以来約8年ぶりで、以下のタイトルに続く5曲目のランクインとなる。なお、同曲に参加した6組のキャスト陣にとってはいずれも初のTOP10入り。1位 ピーボ・ブライソン&レジーナ・ベル「ホール・ニュー・ワールド」(1993年)『アラジン』より4位 エルトン・ジョン「愛を感じて」(1994年)『ライオン・キング』より4位 ヴァネッサ・ウィリアムス「風の色」(1995年) 『ポカホンタス』より5位 イディナ・メンゼル「レット・イット・ゴー」(2014年) 『アナと雪の女王』より 「秘密のブルーノ」は、アメリカの作曲家リン=マニュエル・ミランダが手掛けた曲だが、3位にランクインしたグラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」もメンバーのデイヴ・ベイリーが単独で曲を書いていて、今週はTOP5に2曲も1人のソングライターにより作られた曲がランクインするという珍しいチャート・アクションが起きた。 6位は、先週の12位からリル・ナズ・X&ジャック・ハーロウの「インダストリー・ベイビー」が再TOP10入りし、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートで18週目、ラップ・ソング・チャートでは19週目の首位を獲得した。続いて7位には、先週の20位からエルトン・ジョン&デュア・リパの「コールド・ハート(プナウ・リミックス)」がジャンプアップして、最高位更新とTOP10入りを果たしている。 「コールド・ハート(プナウ・リミックス)」は、エアプレイが6%増加の5,210万回、ストリーミングが18%増加の1,000万回、セールスは53%増加の13,300にそれぞれ上昇し、デジタル・ソング・セールス・チャートでは今週のSales Gainerを獲得して5位から1位に浮上した。セールス・チャートでの首位獲得は、デュア・リパにとって昨年の年間チャートを制した「レヴィテイティング」に続く2曲目で、エルトン・ジョンは初のタイトル。 Hot 100でのTOP10入りは、デュア・リパが「ニュー・ルールズ」(2018年 / 6位)、「ドント・スタート・ナウ」(2020年 / 2位)、「レヴィテイティング」(2021年 / 2位)に続く4曲目で、エルトン・ジョンは1997年10月から1998年1月にかけてランクインした自身9曲目のNo.1ヒット「キャンドル・イン・ザ・ウインド」/「サムシング・アバウト・ザ・ウェイ・ ユールック・トゥナイト」以来23年11か月2週間ぶり、通算28曲目のランクインとなる。TOP10入りの歴代最長ブランク記録は、2週前にザ・ロネッツが「ビー・マイ・ベイビー」から「そり滑り」で達成した58年2か月で、ホリデー・ソング以外の曲では、ドビー・グレイの「ドリフト・アウェイ」(1973年~2003年) が30年2か月という記録を打ち出している。 TOP10入り曲数の歴代記録上位は以下のアーティストで、エルトン・ジョンはマライア・キャリー、スティーヴィー・ワンダーと6位タイとなる。54曲 ドレイク38曲 マドンナ34曲 ザ・ビートルズ31曲 リアーナ30曲 マイケル・ジャクソン28曲 エルトン・ジョン28曲 マライア・キャリー29曲 テイラー・スウィフト28曲 スティーヴィー・ワンダー27曲 ジャネット・ジャクソン また、エルトン・ジョンはこれで 1970年代、80年代、90年代、2020年代の40年代にわたりTOP10入りした10組目のアーティストとしても記録を更新した。なお、歴代最多は50年代を記録したマイケル・ジャクソンで、ジャクソン5の記録を含めると60年代にわたりTOP10入りしたことになる。マイケル・ジャクソン:70年代、80年代、90年代、00年代、10年代マライア・キャリー:90年代、00年代、10年代、20年代ジェイ・Z:90年代、00年代、10年代、20年代エルトン・ジョン:70年代、80年代、90s年代、20年代アンディ・ウィリアムス:50年代、60年代、70年代、20年代ホイットニー・ヒューストン:80年代、90年代、00年代、10年代マドンナ:80年代、90年代、00年代、10年代エアロスミス:70年代、80年代、90年代、00年代シェール:60年代、70年代、80年代、90年代バーブラ・ストライザンド:60年代、70年代、80年代、90年代 エルトン・ジョンの初めてTOP10入りしたのは、日本でも知名度の高い「僕の歌は君の歌」がランクインした1971年1月23日付チャートで、今週までの期間を51年11か月3週間に更新した。歴代最長記録は、先週アンディ・ウイリアムスの「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」が更新した62年3か月だが、ホリデー・ソングでの功績を除くと、今週エルトン・ジョンが打ち出した記録が歴代トップとなる。 8位は、先週の19位からエド・シーランの「バッド・ハビッツ」が、9位はドージャ・キャットの「ニード・トゥ・ノウ」が先週の14位から、それぞれTOP10に返り咲いている。 先週20位から10位に、今週3曲目のTOP10入りを果たしたのは、コダック・ブラックの新曲「スーパー・グレムリン」。週間2,270万回を記録して、ストリーミング・チャートでは9位から2位にTOP3入りを果たし、エアプレイも前週比63%増加の450万回に上昇させている。TOP10入りは、最高6位を記録したブレイク曲「トンネル・ビジョン」(2017年)、自己最高位の2位をマークした「ZEZE feat.トラヴィス・スコット&オフセット」(2018年)に続く3曲目、約3年ぶりのランクインとなる。 次週は、ザ・ウィークエンドの新作『ドーンFM』の収録曲が上位にランクインすることが予想される。Text: 本家 一成※関連リンク先の米ビルボード・チャートは1月14日以降掲載予定となります。◎【Hot 100】トップ101位「イージー・オン・ミー」アデル2位「ステイ」ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー3位「ヒート・ウェイヴス」グラス・アニマルズ4位「シヴァーズ」エド・シーラン5位「秘密のブルーノ」Carolina Gaitán、Mauro Castillo、Adassa、Rhenzy Feliz、Diane Guerrero、Stephanie Beatriz、Encanto - Cast6位「インダストリー・ベイビー」リル・ナズ・X&ジャック・ハーロウ7位「コールド・ハート(プナウ・リミックス)」エルトン・ジョン&デュア・リパ8位「バッド・ハビッツ」エド・シーラン9位「ニード・トゥ・ノウ」ドージャ・キャット10位「スーパー・グレムリン」コダック・ブラック