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Engadget Logo エンガジェット日本版 ミニLED画面MacBook Pro、全有機ELノートPCの合計より売れたとの調査結果

ミニLEDバックライト画面を採用した14インチおよび16インチMacBook Pro(2021)は、画面の美しさが高い人気を勝ち得ています。これら2モデルが実際に、2021年第4四半期の先進的な(通常の液晶以上に改良された画面を採用した)ノートPC市場で54%のシェアを占めた、つまり「すべての有機ELディスプレイ搭載ノートPCの合計」よりも販売台数が多かったとの調査結果が報じられています。

これはディスプレイ専門サプライチェーン調査会社DSCCのレポートが発信源です。それによると2021年第4四半期は、先進的ノートPC用ディスプレイは前四半期比で298%増、前年同期比1717%増の480万枚となり、記録的な四半期となったとのこと。そして年間ベースでは、年間ベースでは、2021年は前年比629%増の820万パネルに達したと述べられています。

その中でもアップルのミニLED搭載MacBook Proと(他社の)有機ELディスプレイ搭載PCの販売台数は、両方とも2021年第4四半期には予測を10%も上回ったとのこと。ミニLED搭載MacBook Proは同四半期で54%、年間でも32%のシェアを獲得したそうです。

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エンガジェット日本版 ミニLED画面MacBook Pro、全有機ELノートPCの合計より売れたとの調査結果

DSCCいわく、ミニLED搭載MacBook Proは120Hz表示の有機ELノートPCがまだ発売されていないなかで、120Hzの実装で競合他社を驚かせたとのこと。2021年を通じてのミニLEDの売上は、アップルとパートーナー企業が(新型コロナ禍の元での)サプライチェーンの制約をうまく処理したため、最終的にDSCCの予想を30%上回ったと説明されています。

21年第4四半期の細かな内訳は、14.2インチミニiLEDがシェア28%でトップ、次いで16.2インチミニLEDが26%、14インチ有機ELが17%だったそうです。さらに2022年第1四半期の先進ノートPC市場は前年同期比126%増の1850万台で、ミニLEDが50%、有機ELが50%に分かれるとのこと。

さらにアップルは21年第4四半期~22年第4四半期にかけてMacBook Proによりリードを続け、各四半期で少なくとも台数ベースで40%、売上ベースで56%のシェアを得ると予想されています。

アップルのミニLED製品は絶好調のようですが、2022年も自社製品のミニLED移行をさらに進めるかどうかは意見が分かれるところです。

たとえば有名アナリストMing-Chi Kuo氏は、年内には新規のミニLED製品は出てこないと予想。かたやDSCCのCEOであるRoss Young氏は、ミニLED版のStudio Displayが6月に登場すると主張しており、真っ向から対立しています。

ミニLEDバックライト画面は、本来は「従来の液晶画面の延長にありつつも、バックライトを微細なミニLEDに置き換え+ローカルディミング(部分制御)により高コントラストや低消費電力を実現」する技術であり、コスト削減にも繋がりやすいはず。いずれは安価なiPadモデルやMacBook Airなどに搭載を期待したいところです。