リスクがあるのは「夜の街」「劇場」という場所ではない。感染対策、表面的な「換気を徹底」だけでは不十分
倖田來未さんは、9月12日から始まる20周年アリーナツアーをリアルで開催することを発表。感染拡大防止と社会経済活動の両立へ向けて、エンターテインメント業界では試行錯誤が続く。
集団感染を防ぎ、安全な興行を可能にするためにはどのような工夫が必要なのだろうか。専門家に話を聞いた。
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関係団体はガイドラインを設定
コンサートプロモーターズ、日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟らは「音楽コンサートにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を策定している。
【1】来場する観客、公演関係者で共有すべき「基本行動ルール」◎基本的感染対策・接触感染・飛沫感染・マイクロ飛沫感染への対策・物理的身体的距離の確保(最低1メートル)、接触機会を減らす・マスク着用、大声を出さない(公演中の歓声、声援も含む)、咳エチケットの徹底・手洗い、手指消毒の励行・「三つの密」の回避・日常健康管理(体温測定、健康状態チェック)・電子決済の導入、活用による接触機会の削減
【2】公演会場における基本的対応・原則、マスク着用を義務化・会場内(周辺含む)では、出演者を含む、公演関係者、観客、施設管理者を問わず、人と人との確保すべき間隔は最低1メートルを原則とする・会場内では「基本行動ルール」および「新しい生活様式」の実践例に基づき、場内外アナウンスやボードの掲出でその周知徹底を図る・来場する観客には上記基本事項とともに「主催者の指示に従わない場合には他場していただく等の措置をとる」ことにつき事前に周知また、全国公立文化施設協会も「劇場、音楽堂等における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を策定し、場所ごとのリスク評価を行い、公演前 / 公演中 / 公演後の対策を明文化している。
そのような中で、発生した今回の集団感染。そのリスクを最大限下げるためには、どのような努力が必要なのだろうか。