Engadget Logo エンガジェット日本版 新 iPhone絵文字は忍者・タピオカ・ブーメラン。iOS 14から先行公開
7月17日の「世界絵文字デー」にあわせて、アップルが iOS 14 で導入される新絵文字の一部を公開しました。
新たに絵文字になるのは、忍者・タピオカミルクティー(バブルティー)・ブーメラン・トランスジェンダーのシンボル・解剖学的な心臓・肺・マトリョーシカ人形・ビーバー・ドードー(鳥)・コイン・ピニャータ・タマル(メキシコの食べ物)・つまんだ指を上に向けたハンドジェスチャなど。
国際規格の Emoji 13.0 に準拠しており、今年秋の iOS 14 で導入される見込みです。
Emoji 13.0 の顔のような扱いの「Ninja」。現在の絵文字にはスーパーヒーローや悪役やロックスターやゾンビや吸血鬼や魔法使いまでいるため、むしろ忍者実装は遅かったくらいです。
ニンジャとくれば海賊が並ぶ文化もあるようですが、いまのところ海賊旗やスカル・アンド・ボーンズ絵文字はあっても海賊自体は絵文字なし。
日本ではあまり馴染みがない絵文字のひとつ Tamal。タマルやタマレスと呼ばれるメキシコ料理で、トウモロコシ粉の生地(マサ)に野菜や肉などの具を包み、トウモロコシやバナナなどの葉で包んで蒸したもの。
トウモロコシの栄養価を増し主食化を可能にすることで中央アメリカ文明を支えたアルカリ水溶液処理「ニシュタマリゼーション」(Nixtamalization)の「タマリ」もこれ。いまWIkipediaで調べました。
日本の風鈴🎐が「Jellyfish」(クラゲ)として使われたり、チューリップの名札📛が「豆腐 on fire」と思われたりする絵文字文化なので、日本では納豆として使われそうです。
こちらはトランスジェンダーのシンボル。シンボルがない、レペゼンされていないのはその象徴体系において無いも同然と考えれば、むしろこれまでなかったのが不思議です。なおEmoji 規格ではすでに、多くの顔や人の絵文字について「ジェンダーを特定しない」バージョンを追加しています。
バブルティー。いわゆるタピオカ、パール、ボバ、珍珠が入ったお茶。色からすると、アップルの絵文字ではタピオカミルクティーのようです。
日本では熱狂的なブームが一段落したあと、コロナ禍もあり一気に淘汰が進みましたが、本国台湾や暑い東アジアの国ではひと昔前からの定番。大手チェーンは海外進出と定着を果たして長く、日本でも特に騒がれたり目の敵にされたことなど忘れられ普通の飲み物になりそうです。
文化依存・文脈依存なハンドジェスチャの新着。Emojiとしての正式名は「Pinched Fingers」。イタリアではこの手で、特に前後に動かすジェスチャをすると、「何いってんだ??」「まじかよ」的な意味になるそうです。
解剖学的に正確な心臓の模式図。うっかりハートマークを送って不要な誤解を招きません。
「一服してくる」への一文字リプライに。
ダム工事関係の人。
出そうと探してから無いことに気づいた人も多そうなブーメラン。れっきとしたスポーツ・伝統狩猟用具でありつつ、「お前が言うな」「自己紹介おつ」「爾等のうち罪なきもの先づ石を擲て」的に自省を促す意、もしくは「自戒を込めて言うのですが」の字数短縮に活躍しそうです。
なかったことが信じられない「コイン」。これまでお札や金袋、財布、銀行、カードやメダルはあってもコインはありませんでした。どんなデザインにするか事業者で大きく変わりそうですが、「The Crazy Ones」はいかにもアップル。
絶滅鳥類ドードー。英国の国民的作曲家エルガーが作曲した荘厳な行進曲でも知られます。
ロシアの伝統的な民芸品 Матрёшка。米津玄師の曲でも有名。
ピニャータ。メキシコのお祝い事で使われるくす玉。『あつまれ!ピニャータ』(Viva Piñata) のおかげで基本は動物型だと思っていたらどうも違うようです。
「なぜ7月17日が世界絵文字の日なのか?」について。記念日としては、絵文字情報ウェブサイト Emojipedia の管理人が勝手に言いだしたのがきっかけです。
そもそもなぜ7月17日なのか?については、アップルの絵文字で「カレンダー」に7月17日が使われていたことから。元を辿れば、アップルが2002年にMacのカレンダーアプリ iCal を発表した日であることから、アップル版のデザインとして7月17日が絵文字になっていました。
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