Excel 2013 消費税の計算から覚える関数での自動処理
前回に続き、自動計算を紹介します。今回は消費税などのように端数が出てしまう場合の処理。表示形式の変更や関数で、手間をかけずに修正しましょう。
■消費税などの計算は関数でラクラク処理
計算の自動化では、結果として小数点以下の端数が出る場合もある。特に、消費税などのように、小数点以下の端数が出てしまう場合は、その都度入力を修正しなくてはならず、めんどうなうえに間違いのもとにもなる。そこで、利用したいのが関数。数値を切り上げたり、切り下げたり、四捨五入したり、関数を使えば、めんどうな計算や端数の処理を自動化できる。ここでは、任意の桁を指定して処理ができる“ROUND”系の関数を中心に紹介していこう。
■表示形式を変更して小数点以下を四捨五入
↑四捨五入して数値を表示したいセルを選び、右クリック。メニューの中から“セルの書式設定”を選択する。
↑"表示形式"で"数値"を選択。少数点以下の桁数は"0"を入力する。
↑"通貨"でも四捨五入できる。数値が金額などの場合はこちらが便利。
■上げるも下げるも自在に数値を操作
選択した数値の特定の桁を指定して、数値の切り上げや切り下げ、四捨五入といった処理を実行するなら“ROUND”系の関数を利用するのがおすすめだ。小数点以下の数値を操作できるのはもちろん、整数部分の数値も操作が可能だ。利用シーンに合わせて柔軟に使える。
Step1 関数ウィザードでROUNDUP関数を探す
↑“数式"タブの“関数ライブラリ"項目に、関数ウィザードを呼び出すツールボタン“関数の挿入"が用意されている。
↑ 関数ウィザードで“ 関数の検索"に“四捨五入"と入力する。
↑ “ 関数名"ボックスに四捨五入に関連した関数の一覧が表示される。
Step2 ROUNDUP関数で小数点以下を切り上げ処理
↑関数名に表示された関数の中から“ ROUNDUP "関数を選び“OK"をクリック。式構築のためのウィザードが表示。
↑上段にある“数値"ボックスへ、基になる数値が入力されているセルを指定。入力はセルをクリックするだけでオーケー。
↑“数値"ボックスへ計算式を入力することも可能。今回のように消費税を算出したい場合は“*0. 08 "を追加する。
↑“桁数"で切り上げる桁を指定。整数の場合は“ 0 . 1 "を入力。
↑正確な数値は“158.4"だが、切り上げられた“159"を表示。
Step03 "ROUND"関数ファミリーで自在に数値を操作
↑“ROUNDDOWN"関数は、ROUNDUP の反対。指定した桁で切り下げる。
↑正しい数値は"156. 8"だが、小数点以下は切り下げて表示。
↑こちらは“ROUND"関数。指定した桁で、四捨五入処理をする。
↑計算結果は"155. 2"だが、四捨五入され"155"になっている。
■切り下げだけならTRUNCやINTも便利
数値を切り下げる関数は、ROUNDDOWN以外にも存在する。小数点以下の数値を任意の桁で切り下げるなら、桁数の指定が理解しやすい“TRUNC”関数が便利。また、桁数の指定をせず、小数点以下はすべて切り下げるケースなら“INT”関数がおすすめ。数値の指定だけと使い方が簡単。
■ショートカットキー道場 関数ウィザードを素早く呼び出す
一見、難しそうな関数だが、ウィザードを利用すれば、必要な項目に入力するだけで式を構築してくれ、たやすく利用できる。とはいえ、頻繁に利用するとなると、毎回、ツールバーから呼び出すのはめんどうだ。関数ウィザードを呼び出す、ショートカットキーを覚えて、関数を使い倒そう。
↑“Shift+F3”で関数ウィザードを呼び出せる。関数を頻繁に利用する場合に重宝するショートカットキーだ。
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