「押ささる」キーを物理的に動かなくするキーボードパーツ
東北・北海道弁には「~さる」という言葉がある。たとえば「押ささる」みたいな使い方をするわけだが、「押される」とは微妙にニュアンスが異なる。「押ささる」には自分の意思とは無関係に、何か超常現象的な、座敷童とかコックリさんとかコロポックルとか、そういう未知の存在によるパワーが働いて勝手に「押ささる」のである。自分の責任回避を多分に含む表現であり、何かに責任を押しつけようという意図ももたない、実に便利な言葉なのだ。
で、キーボードを使っているとそういう「押ささる」場面に遭遇することがままある。筆者の場合はInsertキーやカナキーがそれだ。ミスタイプしたときにBackspaceを押そうとするとなぜかInsertキーが押ささるし、句点キーを押そうとしてカナキーが押ささることもある。Insertキーが押ささった後、それに気付かず入力してしまい既存の文字をガンガン上書きしていって頭が混乱したりもする。
もしかしたらみなさんにとっても押ささってしまうキーがあるのでは、と思うのだが、問題はそれをどう対策するかである。筆者の場合はきちんとホームポジションに指を置けていない、という癖がありそうなのが原因っぽい気もするのだけれど、そう簡単に直るようなものでもないし、だったらInsertキーとかを効かなくするのが手っ取り早そうだ、と思った。
ソフトウェア的に無効にする方法もあるけれども、それだとOSやパソコンの環境が変わるたびに設定し直さなければならない。いっそのこと物理的にキーを押せなくしたほうが確実だ。というわけで入手したのが、ダイヤテックの「CHERRY MXスイッチ専用 キーロック」というアイテムである。
「CHERRY MXスイッチ専用 キーロック」製品名にもある通り「CHERRY MXスイッチ専用」ということで、筆者が愛用している「Majestouch 2SS Edition」というキーボードに適合する。ほかのCHERRY MXスイッチを採用しているキーボードならだいたい対応するだろう。対応キーボードはメーカーサイトに掲載されているので購入前にしっかり確認しておきたい。
表裏があるので注意パンの袋を留めているアレに似ていなくもないこのパーツは、キーキャップの下に挟み込んで、キーをストロークさせなくするものだ。ただ、これを取り付けるのにはちょっとコツがいる。動かなくしたいキーの下に滑り込ませるようにして装着しなければならないので、該当キーの上か下にあるキーをまず取り外し、それからキーキャップを押さえつつこのパーツを差し込むのだ。筆者は何度も失敗しながらなんとかセットできた。
Insertキーの下にあるDeleteキーを取り外し、下側からInsertキーの下に滑り込ませる装着後、わずかにほかのキーより高くなった気がするが、違和感はないカナキーは上側にあるキー2つを取り外して作業こちらはわずかにほかのキーより手前向きに角度が変わった筆者がよくミスタイプするInsertキーやカナキーは、普段使う可能性はゼロ。まれにしか使わないキーでも押せなくなるといろいろ面倒なので、こういった未来永劫無効にしても全く影響がないキーに使いたい。このパーツを差し込んだInsertキーとカナキーは、上から叩いても全然びくともせず、勢いよくミスタイプしたら突き指しそうなくらいだ(実際ミスタイプするような時にそこまで強く叩くことはないが)。
ただただキーを押せなくするという地味なアイテムではあるけれども、効果は抜群である。Insertキーが押ささることも、もちろんその後文字が上書きされて混乱することも皆無になり、キータイプの効率は爆上がりするというもの。みなさんも押ささるキーがあるときはぜひこのパーツを活用していただきたい。
製品名 | 発売元 | 実売価格 |
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CHERRY MXスイッチ専用 キーロック | ダイヤテック | 503円 |