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『パープル(PURPLE)』ならオープンワールドRPG『リネージュ2M』をスマホとPCで同時に遊べる。これが本物のクロスプラットフォームだ!

昨今のゲーム業界では、クロスプラットフォームという言葉が当然のものになってきた。ひとつのタイトルをさまざまなゲームハードで、あるいはスマホで、データを共有して遊べるのが当たり前の時代だ。

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「家ではPCの大画面で、外ではスマホで楽しめる!」という売り文句を掲げるオンラインゲームもいまや珍しくない。筆者としてはこの形態がひとつの到達点なのだろうなぁ……と思っていた。

しかし、しかしだ。“次世代オープンワールドRPG”を標榜するスマホゲーム『リネージュ2M』で撮影したこちらの動画をご覧いただきたい。

オープンワールドRPG『リネージュ2M』をスマホとPCで同時に遊べるサービス『パープル(PURPLE)』を体験。・スマホ操作とPC画面が連動・PC側からも操作可能・2アカウントを即切り替えなど、便利な機能が満載。これが… https://t.co/yQdyiq9HEz

— ファミ通.com (@famitsu)2021-03-30 17:31:56

PC版とスマホ版が、同じ画面で動いているのですが。何これ。

同じ動きをするだけなら何も珍しくはない。スマホにPC画面を映すリモートアプリは広く普及しているし、何ならWindows 10には別のPCやスマホを遠隔操作する“リモートデスクトップ”機能が標準搭載されている。

だが、よく見てほしい。

スマホの画面で仮想レバーとボタンを使ってゲームをプレイしているのだ。その操作がPC版へと、ほぼタイムラグなしで反映されている。ちなみに、スマホの画面をPCに映しているわけでもなく、PCでも操作可能

“PCでもスマホでも遊べる”どころか、“PCでもスマホでも垣根なく同時に遊べる”という、ネクストステージを見せつけてくれる仕様。これを実現したのがNCSOFTの新アプリケーションである。その名も『パープル(PURPLE)』(以下、パープル)。

『パープル』は、PCでの動作自体がとても快適だ。4Kクラスの最高品質グラフィックのMMORPGを起動しつつ、ほかのブラウザや仕事用のアプリと同時起動したとしても、全アプリがカクついたりせずにぬるぬる動く。少し古めのゲーミングPCを使っている筆者の自宅環境でも、これは確認済みだ。

今回は筆者のようなPCゲーマーの「これがやりたかった!」という夢をつぎつぎと叶えてくれる『パープル』の詳細について、実際に触れてみて感じた衝撃とともにリポートしていきたい。

なお、注意点をひとつ。この便利さを知ってしまうと、一般的なクロスプラットフォームプレイにはもう戻れないかもしれない……。

目次閉じる開く
  • 活用法はまだまだある! その可能性に要注目
  • 便利すぎる『パープル』の仕組みと活用法!

    まずは基本的なところから解説しよう。『パープル』とは“NCSOFTが開発するモバイルゲームのクロスプレイを完全にサポートするアプリケーション(サービス)”だ。第1弾の対応タイトルはオープンワールドタイプのオンラインRPG『リネージュ2M』。

    簡単に言うと、スマホとPCにインストールしておけば、どちらからでも同じゲームをプレイできるというもの。さらに、ゲームプレイを支える便利機能も山盛りにしたアプリとなっている。

    その便利機能はゲーマーのかゆいところに手が届くものばかり。以下、順番に紹介していこう。

    いわゆる“PCのリモート操作”は、Googleの機能としても提供されているので、仕事やプライベートで活用している人も多いだろう。筆者は某ブラウザゲームをPCで起動した状態でPCの電源を入れたまま(モニターの電源はオフ)出かけ、電車移動中にスマホのリモートアプリを起動。外部からPCを操作してデイリー任務を済ませたりしている。

    だが、いまはPCブラウザゲームもアプリで遊べるクロスプラットフォーム時代。リモートアプリに頼らなくても、アプリ版をスマホで直接プレイ可能だ。『パープル』ではこの機能を、さらに一歩先に進めている。

    従来のリモートアプリともっとも異なるのは、PC画面丸ごとではなくゲームのみをリモート(ストリーミング)しているという点だ。

    いままでのリモートアプリは、あくまでPCの画面をスマホに映し出す程度。マウスカーソルを動かしてクリック操作くらいしかできなかった。スマホのキーボードからテキスト入力も可能だが、そのキーボード操作でPCゲームを遊んだりすることはほぼ不可能だ。

    『パープル』の場合、PC上で動いている『リネージュ2M』を、PCの画面ではなくゲームそのものをストリーミングしてスマホに表示する。それどころか、アプリ版と同じく仮想レバーやボタンのタップ操作で動かせるのだ。もちろんマルチタップにも対応しており、実際に触ってみると操作感はアプリ版とまったく同じ。とくに違和感はなかった。

    リモートプレイを知っているPCゲーマーなら、「PCのMMORPGをリモートプレイで操作できたらなぁ」と願いつつも、マウスカーソルしか動かせないのでは狩りはできないと諦めたことがあるかと思う。外出先で緊急クエストの発生を知り、ここからでは参加は無理と涙を飲んだこともあるだろう。

    『パープル』ならそんな悲しいことは起こらない! もう涙は流れない!

    さらにこの共有状態は不思議なもので、スマホ側ではゲームアプリ自体を起動しているわけではない。あくまでPCにインストールした『パープル』がゲームを起動し、それをスマホに転送しているだけなので、スマホにかかる負担は小さい。細かく検証したわけではないので恐縮だが、感覚的にはYouTubeの動画再生と似ていると思う。

    つまり、昨今の大作スマホMMORPGでありがちな「スマホのスペックが足りなくてカクつく」、「グラフィックは綺麗だけどスマホがめちゃくちゃ熱くなる」といった問題が起きないのだ。バッテリー消費もかなり抑えられる。

    ストリーミング機能ならではの、ゲーマーにうれしい利点はほかにもある。PCとスマホの両方で遊べるクロスプレイタイトルの場合、PC版でログインしている状態でスマホ版を起動すると、PC側は自動的にログアウトするのがふつうだ。

    『パープル』のストリーミングプレイの場合、スマホからゲームに直接ログインしているわけではない。このため、ログイン状態はあくまでPC側で維持されたまま、ログアウト・ログインを挟まずに、PC版とスマホ『パープル』版を行き来できるわけだ。

    『パープル(PURPLE)』ならオープンワールドRPG『リネージュ2M』をスマホとPCで同時に遊べる。これが本物のクロスプラットフォームだ!

    この仕様の利点として、“プラットフォームを即座に切り替えられる”のは大きい。切り替えるたびにログイン画面に戻ってパスワードを入力し直す手間がない。

    PCでプレイ中、手が離せない大規模戦闘や対人戦の途中に、不意にトイレに行きたくなった場合を想像してほしい。スマホ版を起動してトイレに持って行きたくなると思う。しかし、ふつうのクロスプレイタイトルだと戦場でいったんログアウトが必要なうえに、手間と時間がかかりすぎる。

    『パープル』ならログインし直しの手間がなく、しかもストリーミング開始まで時間は非常に短い。タイトル画面などを経ずに即座にスマホに移行できるので、トイレで安心して大規模コンテンツでの活躍を続けられる。

    なお、PCの電源を入れっぱなしにできない場合は通常のアプリ版でプレイすればいいので、クロスプレイは問題なく実現できる。上記の利便性こそないが、後で解説するチャット機能などは同時に使用可能だ。アプリ版でも従来のクロスプレイタイトルとは異なる便利さを堪能できるはず。

    ここからは、ちょっとディープに遊ぶ人向けの機能を紹介していこう。PCに『パープル』をインストールすれば、複数のアカウントで『リネージュ2M』を起動し、同時にプレイできる。

    これだけなら一部のAndroidエミュレーター(PC上でAndroidスマホを疑似的に動かし、スマホゲームをプレイできるソフト)などで実現可能だ。ひとりで複数のキャラを動かして疑似的なパーティープレイを楽しむために、筆者もPC上でやったことが何度もある。

    経験者ならわかると思うが、エミュレーターでのこうした“複数窓プレイ”は2アカウントの同時操作、いわゆる“2窓”であっても非常に動作が重くなる。とくに最近の3Dグラフィックが進歩したスマホMMORPGだと、最低画質にしても動作がカクつき、ろくに動けない。

    しかし今回、取材先のPCで『リネージュ2M』を2窓プレイを見せてもらったところ、カクつきは皆無だった。よほどハイスペックなPCなのだろうなぁ、と思ったのだが……。

    複数窓でプレイすると、スマホ版『パープル』上ではサムネイルのような形で同時に表示できる。簡易表示のため、スマホへの負担は極端に軽い。

    さすがにこの表示状態だと細かい操作はできないが、各アカウントごとに、拠点へ一瞬で戻れる帰還スクロールをワンタップで使用可能だ。本作では戦闘状態でも帰還スクロールを使えるので、PKプレイヤーに襲撃されても即座に退避できる。

    リモートデスクトップなどを使った遠隔プレイでは、ラグによって精細な操作ができないので、ピンチのときにとっさに避難できないのが困りもの。『パープル』ならいわゆる“事故死”を回避できるというのはありがたい。

    また、ストリーミングプレイモードでは別アカウントキャラへの切り替えも非常にスムーズ。 4~5秒程度で切り替えられる。

    スマホにはプッシュ通知機能があるため、別のアプリを起動していても、任意のアプリからの通知をいつでも受け取れる。マルチタスクに最適な機能だ。こういった機能を最大限に活用するためにも『パープル』は便利。

    スマホ版『パープル』にはテキスト&ボイス両対応のチャットツールがあり、ストリーミングプレイしていない状態でも、ワールドチャットやギルドチャットを閲覧・発言できるのだ。

    最近のスマホMMORPGでは、Discordなどでギルド用グループを作って連絡事項を共有することも多いかと思う。機能的には十分だが、外部ツールを使うとなると、ゲーム内ギルドチャットで何らかの相談を終えた後、外部ツールのほうでも改めて結果や経緯を書き込んで、ログインしていなかった人たちに伝えなくてはならない。

    『パープル』のチャット機能を利用すれば、ゲーム内のテキストチャットがそのままログアウト中の仲間にも伝わる。二度手間を避けつつ、最速で情報共有が可能となるわけだ。

    また、プッシュ通知機能でギルドチャットの発言を知らせてくれるのも便利。何かおいしい緊急イベントが発生したら、「すぐにログインせねば!」とプッシュ通知から即座にゲームへと移行できるのだ。PCでログインしっぱなしの状態にしておけば、スマホでストリーミングプレイを立ち上げるまでにかかる時間は非常に短い。

    MMORPGを立ち上げてからログイン画面でパスワードを入力するまでの手間を非常に「重い」と感じることもあるのではないだろうか。「さあプレイするぞ!」と気持ちを切り替える儀式のようなものではあるが、疲れているとき、ちょっとログインしてプレイヤー間マーケットの相場確認だけしたいときなどにこの手順が突きつけられると、とても面倒くさい。

    『パープル』ならその手間や時間を大幅に削減できる。別の作業中に好機を見逃すこともなくなる。朝や昼にしかプレイできないメンバーと夜型のメンバーの間に生まれるコミュニケーション不足もばっちり解消される。

    従来のMMORPGに用意されていたコンパニオンアプリなどとは一線を画す、ゲームと完全に一体化したコミュニケーションツールなのだ。

    活用法はまだまだある! その可能性に要注目

    以上のように、『パープル』には低スペックのスマホやPCでも高画質プレイが問題なく楽しめる基礎的な機能だけではなく、MMORPGプレイヤーなら「これだ!」と思える便利機能が満載だ。従来のアプリとは異なる次世代の機能をどう活用するか、その手腕も『リネージュ2M』ではプレイスキルとして問われるかもしれない。

    また、ロースペックのPCが使えるのはもちろん、いまや誰しもが持っているスマホというガジェットを多機能の携帯ゲーム機に変えられるという点も、かなりすごいことなのではないだろうか。

    筆者としては、PCでの放置狩り中に「回復アイテムが切れました」とスマホに通知が届き、即座にスマホで帰還スクロールを使って補給に戻れるのが何よりうれしい。これを複数アカウントでプレイ中でも、別途管理できるのも便利すぎる。

    こうした使いかたではPCやスマホに負荷がかかると感じるかもしれない。また、そもそもストリーミング(リモート)にセキュリティ面の不安を抱く人もいるかと思う。そんな皆さんには、あくまでPCというハードにこだわり続けたNCSOFTが最適化を目指したアプリなだけあり、その完成度の高さに安心できたことをお伝えしておきたい。

    まずは負荷について。これは素直に軽い。前述したように、2016年7月発売の高コスパグラフィックボード“GeForce GTX 1060”搭載のPCで『リネージュ2M』を2アカウント起動してもさくさく。体感的には、ブラウザゲームを自動周回で放置しているときのほうがきついほどだ。

    第三者にアカウントの情報を渡す必要がないのでセキュリティ面も安心。情報のやり取りは全部NCSOFTの自社製品内で完結しているからである。

    いまどきのクロスプラットフォームが当然のゲーム環境に身を置いていても、『パープル』を知ると、いちいちログイン状態の切り替えが必要だと「どこでもできる」とはとても言えないような気がしてしまう。

    そもそも、どこでもできることや、グラフィックの過度なきれいさが、いまのゲーマーに本当に求められているのか疑問に思えることも。本当にゲーマーが求める利便性の姿は、めまぐるしく変化し続けている。

    Wii Uの画面付きコントローラーで据え置き機のゲームの画面をリビングからキッチンにまで持っていけたり、ニンテンドーDSでゲームが2画面化したり、最近ならNintendo Switchで携帯ゲーム機がシームレスに大画面に接続できる据え置きゲーム機にできたりと、我々ゲーマーはゲームの遊びかたが“つぎの世代”に移り変わり、ゲーマーのニーズが大きく変わる瞬間を何度も体験してきた。

    『パープル』がもたらすゲーム体験もまた、実際に触れてみた筆者からは、これらのカルチャーショックと同等のように感じられた。

    NCSOFTは対応タイトルの第1弾として、あまり激しい動きや操作が必要ない『リネージュ2M』を送り出した。アクションやシューターと比較すると、ラグがそれほど気にならないジャンルだ。もしかしたらテストベッドとしての意図もあるのかも……というのは考えすぎだろうか。

    今後NCSOFTからリリースされるモバイルタイトルのほとんどが、この『パープル』対応を基準としていく。そうなると、『リネージュ2M』以外のタイトルも同時に管理し、プレイできるようになったとき、どれだけの衝撃を感じるのか想像もつかない。

    場合によっては我々は、新たなゲームの基準が生まれる、ゲームの歴史の重大な瞬間に立っているのかもしれない。そこまで重く考えずとも、実際に触れてみるだけでも、さまざまな驚きを味わえるかと思う。ぜひリリースされたばかりの『リネージュ2M』ともども、その手と目で確かめてみてほしい。

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