ニュース クリスマスの夜から年末寒波襲来 過去最強クラス 大雪をもたらすJPCZとは?
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この先、25日クリスマスの夜から年末寒波が襲来。今季最強で、師走としては過去最強レベル。日本海側を中心に大雪の恐れも。大きな原因となるJPCZとは?
ドカ雪の原因
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先日、12月17日(金)~18日(土)にかけて、北陸など日本海側を中心に一晩で50センチ以上も積雪が増えるドカ雪となりました。その原因は、冬型の気圧配置が強まり強い寒気が流れ込んだ事と、JPCZと呼ばれる日本海寒帯気団収束帯が形成された事です。冬型の気圧配置が強まると、シベリア大陸から冷たい風(寒気)が日本海に流れ込みます。この冷たい風(寒気)は、中国と朝鮮半島の境界付近にある長白山脈(最高峰:白頭山2744メートル)により二分され、その風下(日本海)で再びぶつかり収束帯(雪雲が発達しやすいライン)が形成、雪雲が発達しやすくなります。
この冬
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大雪のもう一つの原因は、この冬は日本海の海面水温が高い事です。大陸からやってくる冷たく乾いた空気(寒気)は、日本海でたっぷりと水蒸気を補給して、雪雲へと成長します。そのとき、日本海の海面水温が高いとより多くの水蒸気を得るため雪雲が発達、大雪を降らせます。今年の10月・11月は日本海の海面水温1982年以降で最も高くなりました。現在(12月)も日本海は平年より3℃前後高い15℃くらいあり、積乱雲が発達しやすい場となっています。
要注意な天気図と最強レベルの寒気
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要注意な天気図は、先日(17日~18日)と同じく等圧線がぼこんとくぼんでいる時。JPCZが形成されやすいので注意が必要です。12月25日の予想天気図も、日本海で等圧線がぼこんとへこむ(黄色の点線)予想です。また、25日クリスマスの夜から、冬将軍(寒気)が西日本周りで襲来する予想です。17日~18日よりも一段強い寒気で、師走としては記録的に強い寒気が長く続く、寒波襲来です。地上で降れば雪となる目安の寒気(上空1500メートル付近でマイナス6℃以下)は、25日は西日本を、26日~27日にかけて本州をすっぽりと覆います。上空1500メートルの気温は、福岡では26日9時でマイナス15.7℃予想(12月の過去1位は、マイナス15.3℃)と、平年より13℃くらい低く、過去1位を更新する予想。館野(つくば)は26日21時でマイナス12.3℃予想(12月の過去1位はマイナス11.7℃)と、平年より11℃くらい低く、過去1位を更新する予想。輪島は26日9時でマイナス14.4℃(12月の過去1位はマイナス14.2℃)と、過去1位を更新する予想です。また、上空1500メートルより更に高い、上空5000メートル付近では、札幌や秋田など北日本にはマイナス40℃以下、輪島など北陸にはマイナス37℃以下の寒気が流れ込む予想です。上空5000メートル付近でマイナス36℃以下は大雪の目安とされているため、いかに強いかが分かります。年末にかけて、記録的な大雪になる恐れがあります。気象情報・交通情報をこまめにチェックし、車の立ち往生など、万が一の備えをしておきましょう。
日本気象協会 本社 福冨
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