歯科矯正用マウスピースで「臭すぎて気分が悪くなる」原因は?【現役歯科医師が解説】
歯科矯正治療として「インビザライン」を選択した場合、どのような注意点があるのでしょうか。現役の歯科医師が患者から寄せられた質問をもとにわかりやすく解説します。
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マウスピースを外したら、速やかに洗浄を
たまに「インビザラインの装置をつけていると臭いが気になって気分が悪くなると聞いたのですが……」と言う人がいますが、マウスピースはプラスチックで作られているため無臭です。
考えられる原因は、患者さん自身の口のなかの菌です。口腔内は湿度が高く、臭いのもととなる細菌が発生しやすい環境です。
普段は唾液の抗菌作用で口臭が抑えられていますが、マウスピースを装着すると歯が密閉されて唾液の自浄作用が弱くなります。この状態が一定時間続くことで、気になる臭いが発生すると考えられます。
これを防ぐためには、マウスピースを外したあとはすぐに口を水ですすぐことがなにより大切です。歯と歯の間の食べかすが影響している可能性もあるので、フロスや歯間ブラシでこまめに掃除をする必要があります。それでも臭いが気になるようでしたら、かかりつけの歯科医院で歯石を除去してもらうこともできます。
一般的には、虫歯・歯周病治療が優先される
もしも治療開始前に口腔内のトラブルが確認された場合には、一般的には虫歯・歯周病治療を優先します。
インビザラインを始めてから虫歯が見つかった場合でもただちに治療に取りかかりますが、症状によっては削ったり詰め物をしたりするケースも考えられます。そうなると当初設計したマウスピースや治療計画が変更になる可能性があり、治療期間が延びるかもしれません。そうならないためにも日々のお手入れをしっかり行いましょう。
マウスピースをつけたままの飲食はNG!
水を飲む程度であればマウスピースは装着したままでも問題ありません。しかし、ジュースなどは、マウスピースのなかに糖分が溜まって虫歯を引き起こしかねないため、外してから飲んでください。
また、コーヒーやお茶はマウスピースの変色や劣化を招くので飲む前に取り外したほうがよいでしょう。食事の際は必ず外してください。もし外さずに食べものを噛むと、マウスピースが壊れる可能性もあり、衛生的にもおすすめできません。
マウスピースに違和感を覚えたら、すぐに相談
どんなに精密に計算されたマウスピースであっても、歯の動く度合いには、個人差があるため、歯とマウスピースの間に隙間ができてしまう場合があります。隙間が生じているマウスピースでは、正確に歯を動かすことができません。
そのため、少しでも違和感を覚えたらすぐに担当医に相談してください。場合によっては歯とマウスピースがきちんと合っていた段階にいったん戻します。1~2段階前につけていたマウスピースを装着して様子を見たり、あるいは新たにマウスピースを作製し直したりといった対応が必要です。
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