栄光の「第12回 中国醜悪建築」に選ばれた数々、審査した各界専門家も「ダメだこりゃ!」連発
建築関連情報サイトの建築暢言網はこのほど、「2021年・第12回 中国醜悪建築」の審査結果を発表した。建築家や芸術、美術などの多くの専門家が、「見るに堪えない」建造物を次々に選び、酷評した。なお、中国では国家発展改革委員会が2021年4月8日付で「醜悪な建築を厳禁」とする通達を出している。以下は、「第12回 中国醜悪建築」に選出された建造物と、その選出理由だ。■第1位 海南省タン州市・恆大海花島建築群(「タン」は「擔」の手へんを人べんに替える)理由:資本の暴走でやりたい放題。海洋生態を破壊した。奇怪な形でしかも乱雑。豊かさを誇示し、世俗にこびる旅行関連プロジェクトの典型。
海南省タン州市・恆大海花島建築群■第2位 江蘇省蘇州市・蘇州湾文化センター理由:機能性のない限度を超えたやり方で、装飾部分を無理やり追加した。無駄な部分が誇張されている。「ニセモノ宇宙感覚デザイン」の代表作。江蘇省蘇州市・蘇州湾文化センター■第3位 山東省済南市・弘陽広場理由:単調な表皮構造で多くの機能を覆った。超大型の建築が都市景観を損ねた。山東省済南市・弘陽広場■第4位 北京市・維景国際大酒店理由:補修を行ったが、従来のデザインの欠陥を是正できなかったどころか、ますます醜くなった。首都北京の東大門一帯の都市のイメージを損ねている。北京市・維景国際大酒店■第5位 吉林省長春市・一汽紅旗イノベーション大廈理由:全体的なデザインの発想が図案化された形式主義のパターンを踏襲。デザイン中の要素が衝突し、企業のイノベーションのイメージに悪影響を与えている。吉林省長春市・一汽紅旗イノベーション大廈■第6位 広東省広州市・広州アリババ華南運営センター理由:論理性の全くない切断面の構築は、やり方が粗雑で比率も当を得ていない。功を弄(ろう)してかえって稚拙になった。広東省広州市・広州アリババ華南運営センター■第7位 上海市・松江G60科創雲廊理由:虚偽や無駄使いによる誇張という手法で、都市の奇抜な景観をやみくもに追及。建物本体の凡庸なデザインをごまかそうとした。上海市・松江G60科創雲廊■第8位 湖南省長沙市・長沙大王山朗豪酒店理由:敢えて奇をてらう一方で羞恥心も示す。建設費が増してしまい、不合理かつ美しくもない。湖南省長沙市・長沙大王山朗豪酒店■第9位 湖北省武漢市・中国建築科技館理由:「種子」を模したデザインで造形したが、こじつけだ。現代建築の科学技術というテーマの表現から逸脱している。湖北省武漢市・中国建築科技館■第10位 河南省濮陽市・長慶路跨金堤河橋(龍鳳橋)理由:低俗な形式で手法は劣悪。不要な部分を追加したことで、現代的な橋の構造の基本的な論理と美学の精神に反している。(翻訳・編集/如月隼人)河南省濮陽市・長慶路跨金堤河橋(龍鳳橋)