パナソニックCNS社をITプロバイダーへ――、元・日本マイクロソフトCTOの榊原彰氏が取り組む企業変革
技術者であり続けるCTOを目指す
榊原氏のパナソニック CNS社入りは、裏では樋口社長の強い意向が働いたものと推測される。
榊原氏は、そのあたりを明確にはしていないが、「樋口社長と、また一緒に仕事をしたいという気持ちがあり、それを実現できることにエキサイトしている」と語る。
「パナソニック CNS社は、ビジネスそのものの転換を図ろうとしている。BlueYonderの買収によってITプロバイダーになることを目指しており、そのジャンプの大きさと、それに向けた本気度を感じていた。最初は強い関心を持って動向を見ていたが、いいタイミングでパナソニック CNS社に誘ってもらい、この波に乗ろうと考えた。パナソニックのビジネスモデルの変革に携わりたいと思っており、BlueYonderの買収が今回の強い動機づけになっている」とする。
BlueYonder買収によるパナソニックのビジネス転換への本気度を感じたことを、入社の決め手として挙げたそして「CNS社CTOとしての私の最大の使命は、テクノロジー面からBlue Yonderのソリューションをドライブしていくこと、CNS社をITプロバイダーにすることであり、そこに力を注ぐ」と宣言する。
また「将来、成し遂げたいのは。パナソニックグループ全体を変えることである。CNS社を突破口として、パナソニック全体が、時代にマッチしたテクノロジーを、B2BでもB2Cでも提供できる企業に変革していく。そのためのステップストーンになりたい」とも語る。
さらに、目指しているCTOの姿にも言及する。
「私自身、技術が大好きで、技術力を持っていると自負している」と前置きしながら、「大企業のCTOは管理業務が多くなり、技術から離れる人も多い。しかし、私は技術戦略を作り、技術に触れて、技術者であり続けるCTOを目指す」と語る。
「技術者であり続けるCTO」であることが自身の最大の強みだという