遅延なしの4Kワイヤレス伝送システム「Spark 4K」がTeradekから登場
REPORT◎一柳
遅延なしの4Kワイヤレスシステム「Spark 4K」がTERADEKから登場
今、映像制作の現場でホットな話題といえば、モニタリングのためのワイヤレス伝送システムではないだろうか。このところ急速に低価格が進んできたジャンルだ。
もともとこのジャンルはTeradekの技術が先行していて、CMや映画、ドラマなどの制作現場では、カメラからベースに飛ばしたり、ジンバル上のカメラからの映像をモニタリングしたり、クライアントモニターに飛ばしたりという用途で、TeradekのBoltシリーズがよく使われてきた。Teradekでは、低価格で、遅延なしでフルHD/60pで送れるAce 500などもあり、それはビデオサロンでも2年前にレポートしている(こちらから)。このジャンルは、このところ他社からも参入が相次ぎ、低価格な製品が増えてきている。
今回Teradekから登場した新製品は、4Kで、かつ遅延なし、そしてさらにコンパクトという驚きのワイヤレスシステム「Spark 4K」。Ace 500でもコンパクトだと思ったが、Spark 4Kはさらにコンパクト。プロの映像制作現場用の機材というよりもガジェット感があり、ビデオグラファーはもちろん、YouTuberでも買って使いそうな製品になっている。
価格もリーズナブル。この手の製品はレンタルで運用するものだったが、これは個人で買って運用する価格帯の製品。Spark 4Kの価格は代理店のRAIDの販売価格で、・TX / RXのセット品:税別 ¥172,000-(税込:¥189,200-)・TX単体(右):税別¥87,000-(税込:¥95,700-)・RX単体(左):税別¥87,000-(税込:¥95,700-)となっている。ポイントをまとめると・4K/30p ビデオを1ミリ秒未満の遅延、受信機側。送信機、受信機ともにHDMIはType AでHDMI 1.4b。4K/30pまでサポートする。受信機側はバッテリーではなく6-18Vの端子で外部から電源をとる。モニターやカメラに供給する電源から回すというのが現実的だろう。
では送信機をカメラに乗せてみる。EOS R5との組み合わせでも違和感がないくらいコンパクト。
運用イメージ。信号が表示される小窓があり、入力が4KなのかHDなのか判別できる。
受信機をモニターに裏に装着する。電源は4Kモニターに電源を供給してるbebobのVマウントバッテリーから供給する。
SamllHDの4Kモニターで確認する。しっかり解像度が出ている。現場では4K以上のカメラが増え、最終的に4Kで仕上げることも増えていて、4Kでフォーカスを確認したいという声もあったり、HDと4Kでは映像のニュアンス自体が違って見えてしまうことが問題だった。Spark 4Kとコンパクトな4Kモニターがあれば、手軽に4Kでモニタリングできる環境を揃えることができる。
遅延は0.001sec未満だという。わずかに遅れている感じがするのは、伝送ではなく、そもそもHDMI出力自体が遅れてい部分のほうが大きいのかもしれない。カラーサンプリングは4:2:2 10bitで圧縮はVilsually losslessとあるが、モニター用途としてはまったく問題がない。
デモ機を入手できた暁には現場投入してレポートしてみたい。
プロジェクターにケーブルを引き回さずに4K映像を送ることができるので、ホームシアター用途としても充分使えそうだ。
RAIDでは、2021年10月6日より販売開始Teradekの商品ページhttps://teradek.com/pages/Colorado Tripodの三脚とアルカスイスプレート
ちなみにこのシステムで紹介したコンパクトな三脚なのだが、ビデオヘッドではないが、非常に小型軽量でモノとしての質感もよく、持ち運びには便利そうだった。RAIDが代理店として扱っているcoloradotripodというメーカーのAspen Ballheadというもの。カメラプレートはアルカスイス規格。
さらに驚いたのが、アルカスイスのプレートはカメラの形やネジ穴などの位置に合わせて3種類が用意されていてこんなラインナップ。
Canon R6 / R5: Designed for Canon R6 and Canon R5 cameras.Nikon Z7 / Z6 ARCA: Designed for Nikon Z7 and Nikon Z6 cameras.KOMODO ARCA: Designed for RED Komodo Cameras.
こちらはRED KOMODO用のプレート。
ケースデザインがたまらない。凄い遊び心だ。
Breakthrough Filter
同じくRAIDが扱っているフィルターメーカーのがBreakthrough Filter。ブラックマジックデザインのシネマカメラのセンサーのカラーサイエンスに合わせて設計されたフィルターで、暗部が赤みがかかってしまうのを補正し、発色をよくするためのフィルターだという。これはどこかで検証してみたい。
このBreakthrough Filterにはドロップインフィルターを内蔵できるCinema DFMという製品もある。ドロップインフィルターは1〜20ストップの範囲のNDやバリアブルND、Rota-Polaなど各種用意されていてい、下はバリアブルNDを装填している状態。カメラボディ側はKOMODOなどを想定したRFマウントはじめ、REDのMONSTROやDSMC2、RAPTOR用などを選択できる。レンズ側マウントはPL(写真)とEFがある。
製品情報と購入などはRAID-JAPAN.com