ゲームからWebinarまで。マウスのDAIVとATEM Miniで構築するハイエンド配信環境
破格の価格で4系統HDMI入力をそなえ、USBカメラとしても使えるATEM Mini
ATEM Miniもう一方の主役であるATEM Miniとはどんな機材なのだろうか? これはBlackmagic Designのネット配信システムであり、プロからアマチュアまで多くの人がネット配信で使っている、いま大人気の機材だ。
Blackmagic Designはオーストラリアに本社がある映像機器の老舗メーカー。映像や放送におけるプロ向け製品を提供し、世界中で大きな実績を持つ業務用機器を開発、販売している。そのBlackmagic Designが2019年11月、まさにパンデミックになる直前のタイミングで、放送品質を持ちながら、手軽で、コンパクトで、非常に低価格なATEM Miniをリリースしたことで、大ヒットし、入手困難な状況がずっと続いていた製品でもある。
もう少し具体的に言うと、これはスイッチャーと呼ばれるジャンルの機材で、HDMI 4系統の入力を持ち、そこに接続したカメラやPCなどの映像を切り替えたり、合成することができる。TV番組では、複数のカメラを別のアングルから構えながら、それを自然に切り替えながら進行しているが、それと同様のことができるプロ仕様の機材なのだ。そして単体価格は3万5,000円前後と、機能から考えると破格と言っていい。
4系統のHDMI入力と1系統の出力を装備もちろん、単純にブチブチと入力を切り替えるHDMI切替器とは、まったく性格が異なるもの。切り替える際にゆっくりと滑らかに移行していったり、右から左へと画面が切り替わっていくエフェクト効果を出したり、ピクチャーインピクチャー(PinP)といって画面の隅に別のアングルの画面を差し込んだりといった演出を可能にする切替器なのだ。
ATEM Miniにつないだカメラ映像をOBS Studioに表示させたところこちらはATEM MiniにつないだPCでPowerPointを表示させたところこのようにATEM MiniでPinP表示させることができるそして、そのようにして用意した映像を、USB経由でPCに入力できるというのが最大のポイント。PCからATEM Miniは、USBカメラとして認識されるので、ZoomやTeams、Google Meets、Skypeといったオンライン会議システムでカメラ入力をATEM Miniに指定すれば、そのまま利用することができるし、OBS Studioのようなネット配信ソフトを利用すれば、YouTubeライブなど、各種配信サービスで1080pの高画質配信ができるのだ。
ATEM Miniは、PCからはUSBカメラとして認識されるZoomのようなWeb会議ソフトからもATEM Miniをカメラとして選択できるここではOBS Studioの詳細については割愛するが、これは無料で入手できるフリーウェアでありながら、数々の配信現場で使われている強力なソフトであり、ATEM MiniとOBS Studioがあれば、どんな配信でもできるといっても過言ではないだろう。