「青空ワーク」はやっぱり気持ちいい!?リモートワークの達人に聞くやってしまいがちな失敗と6つの便利アイテム
リモートワークの最中、近くの公園やカフェのテラス席などで働いてみたら、いつもより気持ちよく作業ができた、という経験はないだろうか。いわゆる「青空ワーク」と呼ばれる働き方が、新しい働き方として注目されている。
そんな青空ワークを実践するにあたり、よくある失敗や携帯したいアイテムなどをリモートワークの達人に聞いた。
今後は「青空ワーク」が浸透する?
新型コロナウイルスの感染拡大により落ち込んだ経済の復興対策として、2020年4月30日の補正予算に、環境省が国立公園・国定公園でのワーケーションを推進する予算が盛り込まれた。
それから約半年後の2020年10月、テレワーク実施者1,000名に対して、テレワークとワーケーションに関する意識の変化を、モバイルバッテリーシェアリング「ChargeSPOT」を展開する株式会社INFORICHが調査した。
その結果、テレワーク実施者の93%が「自宅(屋内)」でテレワークを実施していた。
しかし「自宅(屋内)」におけるテレワークには「リフレッシュ/気分転換しづらい環境である」ことに課題を感じている人が多い。
ワーケーションについては「興味はあるが実施はできていない」と62%が回答。実施できない理由としては「お金がかかる」「旅行に行くなら休みたい」「仕事と休暇のメリハリをつけたい」「会社の仕組み上、実施が難しい」などの回答が多かった。
しかし、テレワークでは「テラスや公園など、開かれた空間(屋外)で働くことがリフレッシュになると思う」と回答した人が65%と、“開放的な空間でのリフレッシュ”を求めていることがわかった。
ワーケーションのハードルの高さと、自宅でのテレワークのリフレッシュの課題から、「テラスや公園など、開かれた空間(屋外)で働く」ことに関心が高まっているようだ。
実はこの働き方は、最近、SNSを中心に注目されているという。「青空ワーク」と呼ぶこともあるようだ。テラスや公園といった家周辺の公共スペースや、自然を感じられるスペースなど、開放的な空間で自由に場所を選びながら働くスタイルだという。
自粛疲れ、テレワーク疲れを感じる今、人との接触のない屋外でリフレッシュしながら働くというのはニーズに合っているかもしれない。
総務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官の箕浦(みのうら)龍一さんは、この「ワーケーション」よりも、近所でお金もかからない「青空ワーク」のほうが支持が厚い点について、次のようにコメントを寄せる。
【取材協力】
箕浦 龍一さん総務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官行政管理局時代に取り組んだオフィス改革を中心とする働き方改革の取組は、人事院総裁賞を受賞(両陛下に拝謁)。2017年の日本行政学会では、「機動力の高いナポレオン型管理職」として紹介される。中央省庁初の、基礎自治体との短期交換留学も実現するなど若手人材育成にも取り組んでいる。「軽井沢リゾート・テレワーク協会」や「金沢イノベーション・ハブ研究会」、食を通じて健康と医療を考える「フードメディシンネットワーク」など、様々なプロジェクト・コミュニティにも参画している。
「ワーケーションは、働く私たちにとって、単なる『選択肢』の一つに過ぎません。普段とは違う場所に行って、観光を楽しんだり、地元の方々との交流も楽しみながら、合間にワークをするワーケーションは、これからの私たちのワークの選択肢だと思います。
一方、人によっては、家の近くでの青空ワークの方が気楽だし、快適、という方もいらっしゃるでしょうね。大事なことは、誰もが、その時々の事情や都合に応じて、好きな場所でワークができるということでしょう。
ABW(Activity Based Working)という言葉がありますが、自分にとって、どういうところで仕事がはかどりやすいか、ということも、個人差がありますよね。集中したいとき、アイデアを考えたいとき、誰かとオンラインで話しをしたいとき、そのときのワークの内容によっても、ふさわしい場所は変わってきます。『働き方改革』を考える際にも、選択肢の幅や自由度が高まるというのは、とても大事な要素です。これからの時代には、青空ワークも含めて、どこででもワークができる環境がどんどん整っていくと嬉しいですね」(箕浦さん)
「青空ワーク」のよくある失敗
いざ、青空ワークをやってみようと思ったら、失敗するケースも。
初心者にありがちな失敗を、雨の日以外は毎日「青空ワーク」を行い、快適な仕事環境を探し続けているというINFORICH広報担当 木村琴乃さんに聞いた。
「いざ青空ワークに繰り出したら、PCもスマホも残り電源が15%しかない…というのはよくあるお話。また、カフェにコンセントがなかった、またはコンセントが使える席が空いていない!という失敗も多いようです。充電器やモバイルバッテリーは忘れずに。
また、公園で元気に遊んでいる子どもたちがたくさんいて、ちょっと仕事にならない…というケースも。青空ワークに適した公園探しのコツは『遊具が多いか少ないか』を見るといいです。遊具が多い公園は、それだけ子どもたちが集まりますので、遊具少なめな公園を狙っていくと、お仕事に適した公園を見つけられると思います」(木村さん)
青空ワークに携帯したいアイテム6つ
そこで木村さんに、青空ワークに携帯したいアイテムを6つ挙げてもらった。
「公園やカフェは電源がないので、お気に入りの場所ですぐ仕事を開始するには、モバイルバッテリーは必須です。ただ、毎日バッテリーを充電し、カバンに入れておくというのがこまめにできないという人は、スマホ充電器のシェアリングサービス利用がおすすめです」(木村さん)
「Free Wi-Fiが利用できる場所は増えていますが、不正アクセスやデジタル機器のウィルス感染のリスクがあります。企業の機密情報などを抜き取られてしまっては困りますので、ポケットWi-Fiを携帯するのは必須です」(木村さん)
「オンラインミーティングをするときに、青空ワークだと外の騒音が邪魔をしてしまい、会議の声が聞き取りづらいです。会議音声をダイレクトに聞くために、ワイヤレスイヤホンは必須だと思います。コード付きイヤホンよりもワイヤレスイヤホンのほうが、絡まらず、ストレスフリーなので、よりおすすめです」(木村さん)
「青空ワーク中は、仕事に集中しているとき、周囲に不特定多数の人がいることもあります。除き見をされても機密情報が見えないような覗き見フィルターは必須です」(木村さん)
「カフェや公園のテーブルなど、仕事をする場所によって、椅子と机の高さは異なります。
自分が疲れない姿勢でノートPCを使えるように微調整ができるほうが、より仕事に集中することができます。自分のもっとも使いやすい角度に調節できるものなど、最近はリーズナブルに購入できるので、ぜひ一つ準備を」(木村さん)
「これからどんどん気温が下がります。公園で仕事中、ちょっと肌寒くなることも。USBなどで充電できる充電式カイロがあれば、エコですし、身体を温めて、頭は冷やしてという理想的な青空ワーク環境となるでしょう」(木村さん)
青空ワークを実践するときも、屋外だからといって油断せず、感染対策をしっかりと行いながら、うまくリフレッシュしたいものだ。よくある失敗やアイテムを参考に実践してみよう。