ネットワーク機能搭載SDカード「Eye-Fi」でベンチマーク
無線LANで画像データを飛ばせるSDカード
これまで、SDHCカードの解説とそのベンチマークテストを行なってきた、本特集。最終回は、Wi-Fi機能搭載SDカード「Eye-Fi」を取り上げる。デジタルガジェット好きな読者にとっては蛇足となるかもしれないが、念のためどういう製品なのかを解説しよう。
Eye-Fiは米国のEye-Fi社が2005年に発売したWi-Fi機能付きのSDメモリーカード。デジカメに差したままWi-Fiを経由して、パソコンやインターネット上のアルバムサービスへ写真データを送ることができる製品だ。電源はカメラ側から取るので便利だが、デジカメ側のオートスリープなどが働いてしまうと接続も切れてしまうので注意が必要。要するに給電されていないと、動作しないのである。写真を転送するには、パワーをオンにし続けなければいけないので、Eye-Fiで撮影するときはオートスリープ機能をオフにしておくことを忘れずに。最近はEye-Fi対応と謳っているカメラもあるが、SDHCカードを読み込めるカメラならほぼ動作するという汎用性も魅力だ。
現在の製品では世代が変わり、iPhoneやAndroidなどのスマートフォンに写真を送信するなどの機能が追加されている。
Eye-Fiのラインナップは、パソコンとウェブサービスへのWi-Fi転送が行なえる「Eye-Fi Connect X2」、容量が倍の8GBに増えた「Eye-Fi Mobile X2」、RAWデータの転送やジオタグ(位置情報タグ)の埋め込み機能が付いた「Eye-Fi Pro X2」の3種類がある。なお、ジオタグ機能だが、SDカードの中にGPSが入っているわけではなく、無線LANのポジショニングシステム(WPS)が使われている。内蔵の無線LAN機能を使い、写真を撮影した場所周辺の無線LANを検知する。そして、写真がアップロードされると同時にジオタグが写真に追加されるという仕組みだ。なお、スピードクラスについては3種ともクラス6なので、最低保証速度は6MB/sとなる。
このように、普通のSDカードに見えてハイテクの塊という、ガジェットオタクを歓喜させるアイテムがEye-Fiなのだ。
日本に上陸してからかなり時間が経ったので、ユーザーも多くなったEye-Fi。今回使用したのはハイエンドモデルの“Pro X2”。USBカードリーダーも同梱される
Eye-Fiの使い勝手はいかに!?
今回は「Eye-Fi Pro X2」を使って、使い勝手、速度の両面をテストした。Eye-Fiはパソコン用の設定ソフトを用いて、SSIDや転送するデータの種類などの指定をする。FacebookまたはPicasaへの同時転送が可能だが、こうしたサービスへのアカウント設定も本ソフトで行なう。
パソコン側にEye-Fiの設定ソフトをインストールする必要がある。インストール方法はこのように非常にオーソドックスなのでわかりやすい
送受信のテストは時間がかかるので、気長に待ってくれと言われる(笑)。初めてインストールするときは、Eye-Fiアカウントを持っていないと思われるので、まずはアカウント作成をする
設定項目は接続先のアクセスポイント、転送が始まった際の通知の方法、ジオタグ(Eye-Fi Pro X2のみ)の付加の有無など多岐にわたる。ウェブサービスへの転送を指定しておけば、自宅などのWi-Fi環境のほか、3G/Wi-Fiルーターなどを使って外出先からでも写真データをアップロード可能になる。
実際に写真を数枚撮ってみると、Wi-Fiでの画像転送が始まるのは撮影後数十秒経ってから。この時間は多少のばらつきがある。撮影後すぐに転送が始まることもあれば、カメラの電源を切って再びオンにするまで転送が始まらない、ということもあった。転送先をパソコンに設定しておけば、転送が始まると同時に通知領域にポップアップメッセージが表示される。
ファームウェアの更新もあるので、最初はちょっと時間がかかる
パソコンかスマホか、どちらに送信するのかをここで選択する
利用する無線LANのアクセスポイントを選択
PicasaなどのSNSとの連動も可能
連動させる場合はアプリに認証させる
パソコンに転送が終わると、このように完了通知がポップアップされる
あとはアルバムを作って公開するなり、友達と共有するなり自由に楽しめる。Pro X2はジオタグがつけられるので、より写真の情報量が濃くなる