ルーティングプロトコル
ルーティングプロトコルは、ルーター同士が情報を交換するために使うプロトコルである。ルーターはルーティングプロトコルを使って経路情報をやりとりし、動的にルーティングテーブルを作成・更新する。そしてルーティングテーブルを参照して、宛先となるネットワークまでの最適な経路を選択する。
ルーティングプロトコルはIGP▼とEGP▼に大別できる。1つのAS▼内で利用するルーティングプロトコルがIGP、AS間を相互接続するのに利用するプロトコルがEGPである。代表的なIGPとEGPはそれぞれOSPFとBGPだ。このためネスペ試験ではこれらを取り上げることがほとんどである。
OSPFの特徴は、回線の帯域や信頼性を考慮すること。メトリック▼を計算する際に、接続しているネットワークの種類や帯域を考慮したコストを用いる。
OSPFでいうコストは、ネットワーク管理者が各ルーターのインターフェースに設定する値で、帯域や信頼性などを基に決められる。経路上のコストを足し合わせた値がメトリックとして使われる。そしてメトリックの小さい経路を選択する。
例えば、宛先ネットワークに到達する経路が複数あるとする(図1-1)。送信元ネットワークのルーターAから宛先ネットワークのルーターEまで、(1)ルーターA→ルーターB→ルーターD→ルーターEおよび(2)ルーターA→ルーターC→ルーターEの2種類である。100Mビット/秒の回線で接続しているインターフェースのコストを「10」、1Gビット/秒の回線で接続しているインターフェースのコストを「1」に設定したとしよう。
図1-1●帯域を考慮してルーティングする「OSPF」OSPFの特徴は、回線の帯域や信頼性を考慮したルーティングテーブルを作成できること。メトリックの計算には、接続しているネットワークの種類や帯域を考慮したコストを用いる。図中では省略しているが、OSPFのコストはインターフェースごとに割り当てる。[画像のクリックで拡大表示]この場合、経路(2)のほうがホップ数(経由するルーター数)は小さいものの、経路(1)のほうがコストの合計値であるメトリックは小さい。このためOSPFでは経路(1)を最適な経路として選択する。
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