Wi-Fiは部屋によって電波状況が激変 自宅を総点検
すでに自宅でWi-Fi(ワイファイ)を使っているなら、Wi-Fiルーター(親機、無線LANルーター)から離れた部屋では速度が落ちる実感があるはずだ。そこで、通信速度が物足りないと感じている人はまず電波を「見える化」できる無料ツールでチェックしてみよう。電波の強さを確認しながら、親機や子機の配置を見直せば、通信環境を劇的に改善できる可能性もある。
そもそも子機の性能が低ければ速度は出ない。電波の測定に入る前に、まずは最大通信速度やアンテナの本数を把握しておくべきだ。パソコンならメーカーサイトに記載されている場合も多い。スマホは簡易な表記が多いが、最近の機種のアンテナ本数は2×2が増えている。「MIMO(マイモ)」とだけ書いてあればまず2×2だろう。
パソコンの場合、スペック欄にWi-Fi の規格と最大通信速度が記載されていることが多い。5GHz 帯で1.73Gbps 出るならアンテナは4×4、866Mbpsなら2×2と推測できるどうしても子機のスペックがわからなければ、「リンク速度」を調べるのも手だ。リンク速度は、親機と子機間の伝送速度のこと。インターネット回線を介さないので規格上の最大速度が出る。条件は、親機と子機を近づけて電波状況の良い場所で確認すること。もちろん、親機が子機と同等以上の性能であることも必須だ。
親機に近い電波状況の良い場所で、設定画面で「ネットワークとインターネット」を開き、「ネットワークのプロパティを表示」を押す「Wi-Fi 」欄に記載されている「リンク速度(送受信)」を確認し、下の表と照らし合わせると、接続規格やアンテナの本数が推測できるアンドロイド端末では、「設定」から「ネットワーク(無線)とインターネット」を開き、接続中の親機を選択する(1)。次の画面で再び接続している親機を選択する(2)「リンク速度」で親機との接続速度を確認できる。下の表と照らし合わせてスペックを判断しよう。最近のスマホはたいてい11ac対応なので、866Mbpsならアンテナ2×2、433Mbpsなら1×1だ最近のWi-Fi規格のアンテナ数と最大通信速度のパターン。子機のスペックを知るには、親機の規格・アンテナ数が子機と同等以上であるのが条件だ。電波環境や機種の仕様や設定によっては上の値は出ないため、目安として考えようスマホで家中を歩き回って測定
続いては電波環境のチェックに入る。パソコンでは「WiFiアナライザー」が使いやすい。電波の強さは「dBm(デシベルミリ)」という単位で示し、マイナスの値が大きくなるほど電波は弱くなる。マイナスの値が大きくても心配はいらない。一般にマイナス30~マイナス50台なら良好といえる。
木造2階建ての住宅で11ac(子機は最大866Mbps )の実効速度を計測。親機の近くなら400Mbps 近いが、離れるほど速度は落ちる。同じ階の離れた部屋では半分以下、2階の最も遠い部屋で約10分の1になったマイクロソフトストアから上記のフリーソフトを導入する。アプリを起動して「接続済み」を開くと、接続中の親機の電波強度が表示される(1)(2)。電波強度は「dBm」という単位で表され、マイナスの値が大きいほど弱くなるスマホを使うなら、0から100の段階で電波の強さを示してくれる「Wi-Fiミレル」がお薦め。電波の強さを、間取り図上に色分けして表示してくれる「ヒートマップ」機能も秀逸。緑色なら電波状況が良く、実効速度が下がる部屋では赤く表示され、電波の強弱が一目瞭然だ。
[日経PC21 2019年4月号掲載記事を再構成]
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